場を回すのに必要なこと

「場を回す」「場を創る」ってことの難しさと楽しさを学んだのは、20代半ばから担当した「釣れて満腹駿河湾」という釣り番組でした。泣かず飛ばすのダメアナウンサーだった私を「山育ち」ということだけで、キャスティングしてくれたKディレクターの気まぐれ?(度胸?)には、感謝しかありません。

番組は「山育ちで釣り初心者の橋本さん」が「釣りジャーナリストの盛さん」に釣りを教えてもらいながら、県内に住む人たち(一般の方)と一緒に、駿河湾に釣りに出掛けるというものでした。

船でご一緒する方々には、それぞれ「釣り」に出掛ける理由があります。

例えば、結婚間近のカップルが、自分たちが釣り上げた「鯛」を両親にふるまいたい!とか、釣りクラブの高校生が、卒業で離ればなれになる前の最後の思い出作り!とか、魚博士の小学生が、はじめてのカワハギ釣りに挑戦したい!とか、本当にそれぞれです。

私の役割は、船に一緒に乗る方々のドラマを「釣り」を通して描くお手伝いと、さらには、釣って食べる番組なので「釣りあげる」ことでした。自分たちが釣らないと、ロケが終わりませんからね。

まあ、色々なものを背負っていたわけです。

というわけで、例えどんな状況でも、荒波でも、全員が酔っ払っても、釣れなくても〜出演者でもあり、番組制作チームの一員の私は場を創らなければなりません。

私が弱ると、船が沈みます。(あ、比喩ですよ)

そこで実践したのは

どんな状況でも、笑顔でいること

どれだけしんどい状況でも、明るい要素を見つけること…でした。

そうしたら不思議なもので、そういう「雰囲気」って周囲に拡散していくんです。出演者も、スタッフも「どんな状況でも楽しんだもん勝ち」という空気が広がっていくんです。

「釣るぞー、おー!!!!」ってな感じです。

さらに、それに励まされて、私も頑張れる!!ということで・・・

私、30回以上船に乗りましたが、一度も酔いませんでしたし、ついでに、坊主(釣れないこと)は、1回だけ。幻の鯛や、大物も結構釣り上げました。

今風に言うと「持ってた」んですねぇ(笑)

目の前のことに、必死に向き合っていれば、学べることがあるんです。

ついでについでに・・・

この番組のナレーションをしたのが、夫です。

仕事を忘れて!?とにかく必死に釣りする姿を、録音時に見まくったので、ある種のサブリミナル効果で結婚に至ったのではないかと…当時は、言われてました。

あれから20年以上が経ちますが、当時の学びも結婚も、無事に続いてはおります。

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