おはようございます!橋本恵子です。異動の季節です。28年の会社員生活で、私は8回の人事異動を経験しました。社員120人程の地方テレビ局で、しかも、最初がアナウンサーとしての採用だったことからすると、多い方でしょうか?特に後半戦は、およそ2〜3年おきに役割が変わっていました。すべて、望んだことはない(笑)部署への異動で、しかも突然!だったので(まあまあ、そういう人事話に疎かったというのもあるけれど)、かなり鍛えられたなぁと、思うわけです。
最後の異動?は、50歳で卒業した時!になるわけですが、あれからもう6年が経過しました。会社員生活もすっかり「今は昔」になったかなぁと思う日もありますが、冒頭、書いたように、あの時があったから「今」がある!と気づかされることも、結構、あります。そして、今日も、私の足元から(笑)、あるものが出てきて、苦笑いしながら、ずっと変わらない私の「あり方」を見つけました。
会社を卒業した時に、自宅に持ち帰ってきた段ボール箱×1つ。そこに入っていたのが、こちら。
アナウンサーとして初めて、1991年9月22日に「マイクの入れ忘れ」という失態をおかしたニュースを収録した「ベータカム(放送用の収録テープ)」と、その翌年、1992年10月8日のニュースで、コメントが入りきらなかった(コメント切れ)場面の収録テープの2本です。

これを、8回の異動の間、ずっと持ち歩いていたわけです。ついでに、卒業の時にも、大事に持ち帰ってきたんですね。
我ながら、面白いです。こう見えて!?高視聴率を獲得した番組も色々と担当していたのですが、そういうVTRは一切なし。持ち帰ってきたのは2本の「失敗テープ」のみ。すでに機材の進化で、再生することも出来ませんが、ある意味、私の大事な「価値観」がここに見えるなと思います。一番の学びは「失敗経験」から、ということですね。ちなみに9月22日(日)の最初の大失敗は、今でもはっきり思い出せます。
休日のニュースは、アナウンサーがひとりでスタジオに入って読むのですが、手元の「カフ(スイッチ)」を自分でONにして話し始めるのです。あの日、私は、スイッチの入れ忘れに全く気付かず、スタジオを出てから、担当のデスク(今は亡きHさん)に「カフ入れ忘れてたぞ、こっちでフォローしたけど、冒頭のコメントが3秒くらい欠けている」と言われて、真っ青に。入社して、土日のニュース担当になって数カ月が過ぎ、気のゆるみもあったんだと思います。あたふたしていると、Hさんに言われました。「今日のことを絶対忘れるな。そのためには、録画でもして手元に置いておけ」と。そして、言われるままに、収録したのです。※数年間は、後輩が入ってくると先輩風吹かせて、見せたりしていました〜
Hさんは同郷ということもあり、私の失敗を(異動の先々でも)、いつもフォローしてくださったし、チャレンジを応援してくれました。不慮の事故で突然のお別れになりましたが、私の中では、いつも大事なことを教えてくれた、とってもありがたい方でした。今でも感謝しています。
あなたには、人事異動や転勤、引っ越しなどなど、変化していく中でも、ずーっと大事に持ち歩いているもの、ありますか?
実は私には、もうひとつ!今でも大切にしているものがあります。
その話は、またいつか。
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