おはようございます、橋本恵子です。会社員時代、あわせて8回の人事異動を経験しましたが、最も衝撃的だったのは、3歳半の息子を帯同しての「子連れ転勤」でした。勤務先は東京でしたが、新幹線通勤の希望は通らず、神奈川県の夫の実家に居候して2年7カ月、何とか、その任務をやり遂げることが出来ました。
それまでは何とか「総合職」としてフルタイムで働いてきましたが、息子の小学校は地元の公立校を希望していたこともあり「地域限定職」という転勤のない職種(いわゆる一般職)に転換しての本社帰任でした。やらなくてはならないことが山のようにありました。引っ越しはもちろん、息子の小学校と学童保育の準備、それぞれの部署での引継ぎ、さらには、毎晩の送別会。そして、同じように、沢山の不安もありました。息子が小学校や学童になじめるか、友達はできるか、仕事についていけるか、職種転換で給料も大幅に減るので生活水準をキープできるか、モティべションを保てるか…あげればキリがないのですが、3月31日に!全ての切り替えを物理的にはしなくてはなりません。そんな時に私を救ってくれたのは、なんとまあ!息子が前年の夏に、縁日でゲットしてきた2匹の「金魚」でした。
そう!金魚の引っ越しです。縁日から家に持ち帰る時には、小さな持ち手付きのビニール袋で構いませんが、神奈川から静岡まで運ばぶとなると、そうはいきません。引っ越し業者にさりげなく「金魚もお願いしたいのですが」と伝えたら、優しくぴしゃりと「生き物はお預かりできません」と(笑)。どこかの噴水とか池に放ってあげようかとも思いましたが、それも無責任です。どうにも困って、勤務先の銀座にある松坂屋の最上階に「ペットコーナー」を何とか見つけ、スタッフにきいてみました。「金魚を連れて引っ越すのですが、どうしたら?」と。彼は「長距離移動は、金魚にもストレスがかかるので、出来るだけゆっくり、慎重にお願いします。ストレスで病気になることもありますので」と教えてくれました、が…我が家の金魚の「顔」を思い浮かべても、ストレスを抱えているかどうかなんて、皆目見当もつきません。「はぁ~」とため息ともつかない返事をして、帰りました。
3/31まで仕事をして、電車で1時間かけて家に帰り、車に荷物を詰め込みます。金魚は水槽の水を少し減らし、バスタオルで二重三重に包み込み、さらにはこの日のために準備したプラスチックの深いコンテナケースに入れ、すき間を緩衝材で埋めて、神奈川を出発しました。走行車線を、出来るだけゆっくり走り、普段ならノンストップなのに、3か所、PAに止まって、都度、金魚の様子を確かめます。とはいえ、彼ら?彼女らの機嫌は見た目にわかることもなく、「大丈夫だよね」と家族で確かめ合いながら、日にちが変わる前に、何とか静岡にたどり着きました。
静岡に戻って、最初に下ろした荷物も「金魚の水槽」でした。不思議なことに、あれだけ大きかったはずの新生活への不安も、金魚騒動!で、すっかり忘れていました。2匹は、悠々と泳いでいたので、そのまま玄関に設置して、無事に金魚様の引っ越し完了!その後、3年間、何とか一緒に暮らしました。縁日の金魚にしては、私たちの元で頑張ってくれたのかな?と思います。
新しい部署、新しい学校、新しい環境、それぞれのスタートの中で、大なり小なり、不安ってあると思います。
でも、ちょっとだけ、スキマを残しておくこと・・・我が家の場合は思いがけず「金魚たち」だったわけですが、その、ほんのちょっとしたスキマが、意外と大事だったのかもしれないなぁ、と、あれから15年経って、思い返しています。
もしも、あなたの不安がどうしようもなく大きくなってしまっていたら、何か「スキマ」や「余白」を意図的に探して、そちらにフォーカスしてみてください。少し、ほっこりしたり、笑えたりしたら幸いです。楽しいって、一番、パフォーマンスを上げますからね!
そんなこんなを思い出したのは、毎週、月曜日に修行と題して続けている「声の定期便」のひとり収録。喋っているうちに、つらつらと金魚への感謝の気持ちとともに出てきました🐠
声の定期便は、こちらからお届けしています。朝のジョギングついでに、ひとりごちるプログラム!もう3年半も!続いてます〜自分でもビックリ!
こちらからも!(stand.fm)
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