こんばんは!橋本恵子です。地元・常葉大学さんからの依頼で、ここ数年、お邪魔している「コミュニケーション講座」。今年度1回目のテーマは「相談」編です。ピアサポートをする際に、相談にのる場面もありますし、自分が相談する場面もある中で、どうしたら有意義な時間が過ごせるのか?そんなことを考える場になったらいいかな?と思っています。そして、こちらのブログは、開催(6/12)を前に、事前に頂いた質問に、私なりに応えるシリーズです。(今年度3本目!)
学生さんから寄せられた質問は、こちら。
Q:話が途切れてしまうことが多くあります。
話が途切れてしまうこと、ありますよね。でも、それでOKです。余程のコミュニケーション猛者でなければ、「ポンポン」とことばのキャッチボールなんて出来ませんから、どうぞ安心してください。決して「問題」ではないです。誰もが感じることですからね。
でも、それじゃ、納得いきませんよね。もし、この壁を乗り越える「コツ」があるとしたら、それは「間」を怖れないことかな?と私は考えます。
相談には、というか、コミュニケーションには…「間」が大事なんです。人にはそれぞれ、その状況に応じて必要な「間」があります。その「間」が合えば、居心地のよい空間であり時間が過ごせます。でも「間」は、見えませんし、さらには、状況によって変わります。それを常に的確に読み取る(察する)というのは、至難の業です。
アナウンサーの指導をしている際にも、最も難しいのが「間」を習得させることでした。「もう少し『間』を取って、読んでみようか」と指導しても、本人は「十分、取ってます」と言います。ここからわかったのは、客観の「間」と、主観の「間」は、多くの場合、一致しないということでした。ここを一致させるのに、私が取った指導法は「録音」の活用です。主観の「間」を録音して「客観」で確かめるということです。
例えば・・・
「昔々あるところに○○○○○○、おじいさんとおばあさんが住んでいました」と「6拍○○○○○○の間」を取って、読んでみようと声をかけて、実際に、読んでもらい録音します。
この時、読み手は「6拍○○○○○○」のつもりでも、実際に録音した音声を確かめると、せいぜい「2拍○○」くらいのことが、よくあるのです。自分の耳で確かめてから、再度「6拍○○○○○○」に挑戦して録音、再び、確かめる・・・これを、様々な文体、パターンで繰り返していくうちに、身体が「間」を取ることを覚えていきます。慣れていけば「間」との付き合い方が分かるようになり、そのうちに、身体の「間」と意識の「間」が一致するようになって、「間」をマネジメントすることが出来るようになるのです。※なかなかな道のりですけれどね
私がたどり着いたのは「辛抱強くレッスンしていくしかない」ということですが、「相談」における「間」も、まずは「間」を意識すること=意識して「待つ」ということから始めてみるとよいかと思います。相手の状況をよく観ながら、むやみにことばを繋げるのではなく「待つ」ことからです。「気の利いたことを言わなくては」なんて、考えなくてOK。しっかり聴いて、待つ。ここから始めてみてください。
何度も言いますが、「間」は、プロでも難しいです。気長に、やっていけたらいいですね。
どうしても克服したい!のであれば、何らかの文章を「間」を意識して、録音して聴くレッスンも並行してみてください。習得の進度が早くなるかもしれません。
そして、「間」対策として私が考案した、もうひとつの必殺技は、当日、お話ししますのでお楽しみに!
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「間」については、10年以上前に手に取った「間抜けの構造」(ビートたけしさん著:新潮新書)が、興味深かったです。正体のわからない「間」についてのたけしさんの考察は、「間」フェチな方には、ぜひ、読んでほしい1冊です。
「間」がない人って「間抜け」ですよ・・・そう言い放つ毒舌の中に、「間」の面白さが詰まってます。
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