女性管理職について考えてみた

独立初年度は「INPUTの年!」としながらも「頼まれごとは、試されごと」をモットーに、お声をかけていただいたことには、全て対応してきた。これに、自分→自分の無茶ぶりも加わって、振り返れば「INPUT=7割、OUTPUT=3割」位になったかな?ありがたいことだ。

先週からぐずぐずと体調万全でない中ではあるが、こちらもご縁あって関わらせてもらっている「ダイバーシティ推進アドバイザー」として、県内の中小企業さんへの訪問をさせてもらっている。主に人事や労務のご担当者とお話するのだが、思いがけず、自分の会社員生活晩年!のマネジメント経験が、役立つことを実感している。

そもそも自分のマネジメントのベースになっているのは、若い頃の不満や不安。女性活躍なんて文言がまだ世の中に流布していなかったこともあるが、納得できない評価面談、責任を取らない姿勢、説明責任の甘さ、コミュニケーションの在り方、反面教師だらけに思えた。持ち前の「しつこさ」で、こうした納得いかない場面に遭遇するたびに、本を読んだり、社外の方々の話を聞いて「自分が部長だったら」「自分が局長だったら」とシミュレーションしてきた。実際に管理職になったのも、年功序列的な配慮で、決してマネジメント能力を買われたわけでもないのだけれど、私自身は「よし!試せる」と思ったものだ。

とはいえ、最初の部署でのマネジメントは、まったく上手くいかなかった。気持ちは強いけれど、世代間のギャップや時代の変化に対応できないまま、お役御免となった。振り返れば、私自身が部下を心の底で信用できていなかったんだと思う。「違い」を認められる寛容性が足りなかったんだろう。プレイングマネジャーだったので、業務の幅も広がったし、部署の社内ステータスを上げるというミッションについては成果を感じられたのだが、マネジメントに関しては課題が残る2年だった。

一方で、その後出向してからのグループ会社での部長経験は、過去の学びと前部署での苦みが上手く作用して、自分らしいマネジメントが出来たと思っている。技術系の部署で、私より部下の方が経験が豊富で「教わることばかり」だった環境も結果的には良かった。現場の仕事は部下に任せるしかない中で、状況判断と本社との交渉という役割をこなしつつ、責任を取るのが部長の仕事だと、早い段階で自分に明確な指針を持つことが出来た。育休復帰者を5人迎え入れたこと、正社員登用を進めたこと、女性の多い職場だったけれど、再雇用の男性部下や若手男性社員のマネジメントにも関わることが出来た。上司の理解も得られたので、社外研修や社外会議に部下を積極的に参加させることも出来た。もちろん、ここでも上手くいかないこともあったけれど、会社を卒業しようと思えたのも、ある種の「やり切った」感覚が得られたからだ。

こうした自分の経験からも、女性管理職を増やすことに意味はあると思う。まだまだ今の日本では、女性管理職という事例のひとつになれることだけでも価値がある。さらに、マイノリティとして感じてきた思いを、決定権を持つポジションで実行出来るチャンスが得られる。でも、ただただ増やせばよいわけではない。準備が大切だ。私は持ち前の「しつこさ」から、管理職シミュレーションを若いうちから重ねてきたのだけれど、意図してこうした仕組みを会社に作ることも大事だろう。早い段階から男女に関わらず「管理職の仕事」を意識させることだ。そして、段階を踏ませながら「失敗」も許容しながら育てていくこともまた重要だ。女性管理職って、まだまだマイノリティーだから、どうしてもその存在は目立ってしまう。それゆえに、ひとつの失敗が「だから女は・・・」とか「やっぱり女は・・・」などと足を引っ張られやすいことも事実としてあるだろう。男性管理職だって失敗はするけど、沢山いるからそんなに目立たないだけだと、私は思っているんだけどね。

加えて、私は社外の先輩方に学びながらリフレクションしてきたけれど、これも社内に仕組みがあるといいなぁ。

ちなみに、素敵だなぁと思う人事担当者の皆様は、仕事以外の「自分」を持っている。いわゆる「イクボス」だ。アドバイザー派遣で伺いながら、気付けば趣味の話や最近読んだ本の話などの雑談が弾み、その方の人間力が見えてくる。生き生き働く上司の下では、部下も働きやすいだろう。アドバイザーというよりは、「管理職同志」という感覚でお話している自分に苦笑いしつつ、自分の経験が何らかの形で広い意味で女性の活躍に繋がっていくのはありがたいなぁと思う。

人生に無駄はない。今年もたくさんのチャレンジによって、育まれた。写真は昨日の東京都内の高校でのドリマ授業を担当したドリマ先生との終了後ミーティング。ここからもまた何か始まる気がする。良い仲間もまた、自分を磨いてくれる。そして自分も、誰かに刺激を与えられる人であるために、学び続けようと思うんだな。

 

 

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