働きながら壁にぶつかるたびに「なぜだ、なぜなんだ」と拳をぎゅっと握りしめながら、学びを深めてきた。若かったこともあるけど、出来ないことを認めたくなかったし、負けたくなかった。
「毎日がテスト」のようだった新人アナ時代はせめて「平均点」を取ろうと、生放送も収録番組も放送後、同録テープを見ながら自分のコメントを全て書き写して、喋りの癖や伝わらない原因などを「反省ノート」に書き連ねた。発声と活舌トレーニングは、毎日3時間以上取り組んだ。下手くそだったから、勝てるところは「活舌」だけだと思っていた。新人時代、担当番組で技術スタッフに褒められたのは「着替えが早い」ことと「間違えない」こと。今思えば苦笑いしかないが、それくらいしか出来なかった。
それでもね。
小さなことでも、続ければ力になる。続けていれば、必ず、上達する。
だから、つらいなぁ、厳しいなぁ、苦しいなぁと思ったら、自分に出来ることをどんな小さなことでもいいから探し、そして、続ける。1か月くらい続けると、自分が信じられるようになる。チーム作業であれば、自分の居場所が出来る。
「続ける」ことは難しいというけれど、最初からハードルを高く設定すると、そりゃあなかなか難しい。簡単なことでいい。単純作業でOK。思いがけず子会社に出向になった時には、毎朝、倉庫のカギを開けることを自分の「ルーティン」にした。何のスキルもなく部長になったので、受け入れるチームメンバーも複雑だったと思うが、3か月続けたら、認めてくれるようになった(と感じた)。ついでにカギを預かってくれている警備さんとも毎朝会話をするので仲良くなれた。
簡単なことでいいから、続けられることを探そう。そのうち、きっとうまくいくから。
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